ZOZO NEXTとAVITA、ヒューマノイド衣服を共同研究へ 実機データで設計手法を探る
公開日:2026年10月16日

3行解説
- ZOZO NEXTとAVITAが、ヒューマノイド向け衣服の共同研究でMOUを締結した。
- 研究開始は2027年1月を目標とし、素材技術とロボット実機データを組み合わせる。
- 接客や介護での見た目、接触感知、放熱への対応が主な論点になる。
ニュースの概要
株式会社ZOZO NEXTとAVITA株式会社は、2026年10月15日にヒューマノイドロボットに特化した衣服に関する共同研究の基本合意書(MOU)を締結した。両社は今後、研究テーマの詳細を協議し、2027年1月の共同研究開始を目指す。発表では、ヒューマノイドは人間用の衣服をそのまま着せられないこと、また接客や介護など人と接する場面で衣服が役割の伝達や接触感知に使える可能性があることが示された。
何が新しいのか
今回の新しさは、衣服を「見た目の装飾」ではなく、ヒューマノイドの動作や安全性に関わる設計対象として扱っている点です。ZOZO NEXTはスマートテキスタイル、縫製、パターン設計、計測の知見を持ち、AVITAはロボット実機・動作データや人とロボットの関わり方に関する知見を持ちます。つまり、ファッション側の素材・設計と、ロボット側の可動域や接触条件を突き合わせて検討する構図です。
ファッションの知見とロボットの実機条件を合わせて、ヒューマノイド向けの設計方法を探る流れです。
従来の人間向け衣服は、関節の動き、外装の形、発熱、そして自分で着崩れを直せない点を前提にしていません。今回の研究は、その前提を変え、ロボットに合わせた素材や構造を探る点に意味があります。さらに、周囲へ意図を伝える機能や、人との接触を感知する機能まで視野に入れているため、単なる衣装開発よりも実装寄りのテーマだといえます。
グリットアーツ編集部の分析
注目すべきは、「実機データ」と「衣服設計」を結びつける点です。ヒューマノイドは見た目だけでなく、関節の可動域や放熱、接触時の安全性が運用可否を左右します。ここを詰めずに衣服を先に作ると、現場では動作干渉や着崩れが起きやすいはずです。逆に、ロボットの動作データを使って設計できれば、接客や介護のような対人用途で、見た目と安全性を両立しやすくなる可能性があります。
日本の現場で考えると
日本では、接客や介護の現場でヒューマノイドを使うなら、衣服は単なるデザインでは済みません。人に近づく場面では、どこまで触れてよいか、どの部位が動くか、熱がこもらないかを事前に見ておく必要があります。特に、衣服が関節の動きを妨げると、転倒や停止の原因になりかねません。
一方で、工場や物流のように人との接触が少ない現場では、衣服の優先度は下がる可能性があります。今回のテーマは、対人コミュニケーションや安全表示が重要な用途に向いていると考えられます。反対に、耐久性や洗浄性、交換のしやすさが求められる現場では、研究成果をそのまま使えるとは限りません。
導入・検討時に確認したいこと
- どの形状・サイズのヒューマノイドを対象にするのか。
- 関節可動域を妨げない設計か、実機でどう検証するのか。
- 放熱や発熱対策を衣服側でどこまで担うのか。
- 接触感知や意図表示の機能を、どの用途で使う想定か。
- 着脱、洗浄、交換の運用を現場で回せるか。
現時点で分かっていないこと
研究テーマの詳細はまだ協議中で、成果物の形は明示されていません。どのヒューマノイドを対象にするか、検証環境をどうするかも未開示です。2027年1月の開始目標は示されていますが、実用化の時期や適用範囲はまだ分かりません。
ヒューマノイドの社会実装では、動作だけでなく外装や接触時のふるまいも設計対象になります。現場導入を見据えるなら、ロボットの保守や運用とあわせて検討する視点が重要です。
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出典: ロボスタ
