サイバートラスト調査、Linux延命97.3% 重視点は脆弱性修正の速さ
公開日:2026年10月27日

3行解説
- サイバートラストが、重要システムのLinux選定と延命に関する調査結果を公開した。
- 回答者の97.3%が、OSサポート終了後の継続利用を実施または検討している。
- Linux選定では、脆弱性発見時の修正提供の速さが最も重視された。
ニュースの概要
サイバートラストは2026年10月26日、「サーバー調達難時代における重要システムのLinux選定・延命に関する実態調査」の結果を公開しました。調査は、従業員300名以上の企業で本番環境のLinuxサーバーの選定・運用に携わる情報システム・インフラ担当者111名を対象に、2026年9月14日から15日にかけて実施されたものです。サーバーの納期長期化や価格上昇を背景に、OSサポート終了後の継続利用や、重要システムの更改・改修の考え方を尋ねています。
結果として、サーバー調達で64.0%が価格上昇を経験し、51.9%で既存サーバーの利用長期化が進んでいました。また、93.6%が過去5年間にOSサポート終了を理由とした前倒し更改・改修を経験し、67.5%がOS更新はシステム更改予定より早く終わる見通しと回答しました。延命の利用・検討は97.3%に達し、Linux選定では脆弱性修正の速さが50.5%で最重視されています。
何が新しいのか
この調査の新しさは、「延命は例外ではなく前提になりつつある」ことを、調達難とOSサポート期限の両面から示した点にあります。単にサーバーを長く使う話ではなく、OSの保守期間が更改計画より先に終わるため、計画外の前倒し更改と延命判断が同時に発生していることが分かります。
特に重要なのは、延命の課題として「障害が起きた際に相談できる窓口がないこと」が48.6%で最上位だった点です。つまり、延命は技術的に可能かどうかだけでなく、障害時に誰が受け止めるかまで含めて設計しないと運用が回りません。Linux選定でも、費用より先に修正提供の速さとサポート体制が見られているため、保守の品質が選定条件に入ってきています。
調達環境の変化が、OSサポート期限とのずれを生み、延命判断を増やしている構図です。
グリットアーツ編集部の分析
この調査で実務上の重みが大きいのは、延命の課題第1位が「相談できる窓口がないこと」で、しかも97.3%が延命を利用・検討している点です。延命は単に古い環境を残すことではなく、障害時の一次対応、修正提供、エスカレーションの設計が必要になります。窓口が曖昧なままだと、障害時に復旧判断が遅れやすく、運用負荷が現場に集中する可能性があります。
また、Linux選定で「脆弱性が見つかった際の修正提供の速さ」が50.5%で最重視されたことは、重要システムほど“安さ”だけでは選べないことを示しています。日本語技術サポートの有無が41.4%と続く点からも、国内で即応できる体制が実務上の判断材料になっていると読めます。延命を前提にするなら、OSそのものより、保守の受け皿があるかどうかが導入可否を左右します。
日本の現場で考えると
日本の企業では、基幹系や業務システムの更改がサーバー調達の遅れに引っ張られやすくなります。今回の調査では、OSサポート終了が更改計画を前倒しにする要因になっており、現場では「機器が届かない」「OS期限が先に来る」という二重の制約を同時に見なければなりません。特に、停止時の影響が大きい重要システムでは、延命の可否を技術だけでなく保守体制で判断する必要があります。
向いているのは、停止を避けたい基幹系や、移行に時間がかかる環境です。一方で、障害時の相談先がない、修正提供の条件が不明、夜間休日の対応が見えない環境では、延命は慎重に見るべきです。日本語での技術支援が重視されていることからも、国内の運用現場では、ベンダーの説明資料だけでなく、実際の連絡経路や対応時間まで確認する必要があります。
導入・検討時に確認したいこと
- OSサポート終了後も、どの期間まで修正提供を受けられるか。
- 障害時の一次窓口と、エスカレーション先が明確か。
- 夜間・休日を含む対応範囲と、日本語での技術支援の有無。
- 既存システムを延命する際の、互換性確認と切り替え時の停止時間。
- ライセンス費用とサポート費用の内訳が、運用期間に対して妥当か。
現時点で分かっていないこと
この調査結果だけでは、延命を選んだ企業が実際にどの程度の期間、安全に運用できたかは分かりません。また、修正提供の速さを重視した回答が、どの業種やシステム種別で特に強いのかも示されていません。さらに、延命時の具体的な保守契約条件や、実際の障害対応の品質までは確認できません。
延命を前提にしたLinux運用では、OSのサポート期限だけでなく、障害時の相談先や修正提供の体制まで見ておく必要があります。既存環境の保守や更改の進め方を整理したい場合は、運用設計の観点から検討することが重要です。
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出典: PR TIMES
