三菱UFJ eスマート証券、RAIDEN基盤をOracle Exadata Cloud@Customerへ移行

三菱UFJ eスマート証券、RAIDEN基盤をOracle Exadata Cloud@Customerへ移行

公開日:2026年10月26日

三菱UFJ eスマート証券、RAIDEN基盤をOracle Exadata Cloud@Customerへ移行

3行解説

  • 三菱UFJ eスマート証券が、株式発注システム「RAIDEN」などの次期基盤にOracle Exadata Cloud@Customerを採用しました。
  • 本番・準本番は自社データセンター内、BCP環境はOCI上に分ける構成で、2027年3月までに移行完了を予定しています。
  • 保守・運用負荷の軽減と、証券基幹に必要な性能・可用性・データ統制の両立が狙いです。

ニュースの概要

日本オラクルとアシストは2026年10月23日、三菱UFJ eスマート証券が証券基幹システムのモダナイゼーションに「Oracle Exadata Cloud@Customer」を採用したと発表しました。対象は株式発注システム「RAIDEN」および勘定・売買審査データベースです。本番環境と準本番環境にはExadata Cloud@Customer、BCP環境にはOCI上のOracle Base Database Serviceを導入します。2026年5月の納品後に構築とテストを進め、2027年3月までに切り替える計画です。

何が新しいのか

今回のポイントは、単にDBを新しい製品へ置き換えるのではなく、本番・準本番・BCPを役割ごとに分けた構成にしたことです。三菱UFJ eスマート証券は、これまで複数のオンプレミス製品で構成していた基盤について、保守・運用負荷や、ストレージ固有機能に依存したバックアップ、データ複製の複雑さを見直す必要がありました。そこに対して、データを自社データセンター内に置いたまま、クラウドの自動化やライフサイクル管理を使える点を評価しています。

基盤の役割分担
本番・準本番
→
Exadata Cloud@Customer
→
BCP環境はOCI

本番系は自社内に残し、BCPはクラウド側に分ける構成です。

また、Oracle Real Application Testingを使って、パッチ適用などの変更が本番へ与える影響を事前に検証する点も重要です。金融の基幹系では、性能だけでなく、変更時の確認手順が運用品質を左右します。今回の発表は、性能強化の話にとどまらず、変更管理と運用標準化まで含めて基盤を組み直す動きだと読めます。

グリットアーツ編集部の分析

このニュースで注目すべきなのは、約210万口座規模の証券事業を支える基幹DBで、オンプレ保持とクラウド運用を両立させようとしている点です。金融系では、データを外に出しにくい一方で、運用の自動化や変更検証の仕組みが不足すると、保守負荷が増えやすくなります。今回の構成は、その両方を同時に解こうとしているため、単純なクラウド移行よりも設計難易度は高いですが、うまく設計できれば運用の標準化に効く可能性があります。逆に、既存の複雑なバックアップや複製手順をそのまま持ち込むと、効果は限定的になりやすいでしょう。

日本の現場で考えると

日本の証券会社や金融機関で見ると、この構成は「データは自社内に置きたいが、運用は標準化したい」という要件に合いやすいです。特に、基幹DBの更改時に、バックアップ、複製、パッチ適用、BCPを別々に設計している現場では、運用の整理に意味があります。一方で、移行期間中は本番・準本番・BCPの整合性をどう保つかが重要です。切り替え時の停止時間、障害時の切り戻し、既存監視との接続は、事前に詰めておく必要があります。

導入・検討時に確認したいこと

  • 本番・準本番・BCPの間で、データ同期と切り替えをどう設計するか。
  • 2026年5月納品から2027年3月切り替えまでの間に、どこで検証を行うか。
  • パッチ適用や変更検証を、既存の運用手順にどう組み込むか。
  • ストレージ依存のバックアップや複製を、どこまで標準化できるか。
  • 既存のOracle AI Databaseワークロードとの互換性をどう確認するか。

現時点で分かっていないこと

公開情報だけでは、移行対象の詳細なデータ量や性能要件、切り替え時の停止許容時間は分かりません。また、BCP環境での復旧手順や、移行後の運用体制の具体的な分担も明示されていません。費用や契約条件も今回の発表には含まれていません。

金融基幹のように、止めにくいシステムほど移行設計と運用設計が重要になります。自社のDB更改やデータセンター運用を見直す際は、構成の切り分けや保守負荷の整理から検討すると判断しやすくなります。

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出典: PR TIMES