富士ソフト、異種AMRを統合管理するMixFlitを名古屋Labで実演
公開日:2026年10月19日

3行解説
- 富士ソフトが異種AMRを統合管理するMixFlitの実機デモを公開しました。
- ERP、MES、WMSとつなぎ、搬送指示や充電管理まで一元化する構成です。
- 名古屋Labでは3Dシミュレーションと実機検証を組み合わせて確認できます。
ニュースの概要
富士ソフトは2026年10月14日、愛知県名古屋市に新設したロボット開発・実証拠点「名古屋Lab」を報道関係者に公開しました。あわせて、異なるメーカーの搬送ロボットを統合管理するAMRフリート管理プラットフォーム「MixFlit」の実機デモを披露しました。デモでは、FANUC、安川電機、Universal Robots、Preferred Robotics、YOUIBOTなどのロボットを組み合わせ、工場内の搬送や通い箱回収の自動化を再現しました。
MixFlitは2025年11月に発売された製品で、複数メーカーのAMRやAGVを一元管理し、設備や上位システムとの連携を支援します。富士ソフトは10月15日にはエクセディとの販売店契約も発表しており、製造・物流現場への展開を進める方針です。名古屋Labは、開発、実機検証、共同検証、人材育成の拠点として位置づけられています。
何が新しいのか
今回の新しさは、異なるメーカーのAMRや協働ロボット、工場設備を同じ管理基盤で動かす点にあります。従来はメーカーごとに制御画面や接続方法が分かれやすく、複数機種をまたぐ搬送ラインでは個別開発が必要でした。MixFlitは、標準ブリッジ、カスタムブリッジ、各社RCS連携を使って、その分断をまとめる設計です。
メーカーごとに異なる機器を、共通の運行管理にまとめる考え方です。
また、MixFlitは単なる運行監視ではなく、ERP、MES、WMSから搬送指示を受け、タスク管理、充電管理、ルート変更まで扱います。さらに、Unityを使った3Dシミュレーションで、実機を置く前に台数や搬送時間、タクトを検討できる点も特徴です。富士ソフトは標準アダプタなどの活用で、システム開発期間を約50%短縮できるとしています。
グリットアーツ編集部の分析
導入判断で重要なのは、MixFlitが「何でもつながる」製品ではなく、接続方式が機種ごとに分かれる点です。標準接続できるのはkachaka ProとKeiganALIで、ほかはカスタムブリッジやRCS連携が前提になります。つまり、現場にあるロボットをそのまま全部まとめられるとは限らず、機種選定と接続設計が先に必要です。
一方で、最大50台まで接続可能、Web画面からルート変更ができる、3Dシミュレーションで事前検証できるという点は、搬送ラインを段階的に増やしたい現場には実用的です。単一機種の単純搬送よりも、複数工程・複数設備が混在する工場ほど効果が出やすいとみられます。逆に、台数が少なく搬送経路も固定的な現場では、機能が過剰になる可能性があります。
日本の現場で考えると
日本の製造現場では、既存の生産管理システムや倉庫管理システムを残したまま、搬送だけを自動化したいケースが多くあります。MixFlitのように上位システムから搬送指示を受ける構成は、その前提に合いやすいです。ただし、現場でルート変更を誰が行うのか、設備停止時にどこまで自動で迂回できるのかは、運用ルールとして先に決める必要があります。
また、通い箱搬送や段ボール搬送のように、搬送物や設備が複数ある現場では相性がよい一方、単純な往復搬送だけなら導入効果を見極める必要があります。名古屋Labのように、実機とシミュレーションを行き来しながら検証できる体制は、工場レイアウト変更や安全確認が多い日本の現場では有効です。
導入・検討時に確認したいこと
- 対象のAMRやAGVが標準接続か、カスタムブリッジが必要か。
- 既存のERP、MES、WMS、RCSとどこまで連携できるか。
- ルート変更やタスク変更の権限を現場でどう分けるか。
- 最大50台接続の前提で、実際の台数と通信負荷がどうなるか。
- 一括6百万円または月額18万円に加え、導入費・保守費を含めた総額。
現時点で分かっていないこと
標準接続できる機種は一部に限られており、他機種の接続可否は個別確認が必要です。また、開発期間50%短縮は同社試算であり、導入環境による差が大きいとみられます。名古屋Labでの実機デモが、どの業種・どの規模の現場まで再現できるかも、現時点では限定的です。
異なるメーカーのロボットや既存設備をどうつなぐかは、現場ごとに条件が大きく変わります。搬送自動化やロボット統合の検討では、接続方式や運用設計を早めに整理することが重要です。
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出典: ロボスタ
