データ消去の重要性を理解するための技術講座の3回目になります。
前回まではHDDの歴史やマーケットシェア(第1回)、内部構造(第2回)を詳しくご紹介しました。
~データ消去の重要性について~ ハードディスクドライブ(HDD)技術講座【第1回】
~データ消去の重要性について~ ハードディスクドライブ(HDD)技術講座【第2回】
今回は、SSDの歴史やメーカーシェアなどをご紹介します。
グリットアーツ技術顧問
鈴木 寿人
1980年 山形富士通株式会社入社、HDDの設計・開発・製造に従事。データ消去・データリカバリビジネス立ち上げ、日本初(世界2番目)米NSA認定データ消去装置の開発を行う。以降都築電気株式会社を経て、2021年にグリットアーツ技術顧問に就任。
SSD(Nand Flash Memory)歴史
フラッシュメモリで構成されるSSDが誕生したのは1991年となるが、NAND Flash Memoryは遡ること5年前に当時の東芝が発明している。
その後、1989年に製品化に成功し、SSDとしては、SanDiskがIBMのThinkPadラップトップ向けとして採用されました。この時の容量は20MBになっております。
その後 単位セルの多値化開発(SLC→MLC→TLC→QLC→PLC)が進み大容量化、低価格化へと進んでいき
HDDからの移行も進んでいます。
また、HDDと同じ2.5インチ、1.8インチ形状からSSD専用の形状も出てきておりmSATA、M.2、U.2やAICなどがあります。
接続方式もSAS/SATAだけでなくPCI-Expressでの接続を可能とするNVMe SSDも増えてきております。
1986年 | 東芝(現、KIOXIA)がNAND Flash Memoryを発明 |
1989年 | 東芝(現、KIOXIA)が、NAND Flash Memory 製品化(世界初) |
1991年 | SanDisk(現、WD)がSSD製品(容量20MB) |
1999年 | 東芝が四日市にNAND工場設立 |
2005年 | MLC NAND(2 bit/cell) 開発 |
2006年 | 2.5型SSD 発売(1.8型SSD) |
2007年 | Hybrid Drive(SSD+HDD) 発売 |
2008年 | TLC NAND(3 bit/cell) 開発 |
2019年 | PLC NAND(5 bit/cell)開発 |
2020年 | 112層512Gb/TLC(64GB chip) 1.33Tb/QLC(166GB chip) |
SSD図解
- インターフェースコネクタ=HDDと同様にコンピュータとの接続端子 SAS/SATA、mSATA、M.2、U.2などがあります。
- DRAMチップ=各種管理データの保持、キャッシュ用。
- コントローラチップ=SSDの最も重要な部分。コントローラの制御により書換寿命の長期化やパフォーマンス、信頼性の向上を実現しています。
- NANDフラッシュメモリ=データを蓄積。MLC,TLC,QLC技術により大容量化などを実現しています。
SSDメーカー
次にSSDおよびNAND、コントローラのメーカーをご紹介します。
SSDはHDDと違い数多くのメーカーが参入しております。その為、一部のみの記載となります。
- WD(Western Digital) https://www.westerndigital.com/ja-jp/c/ssd
- Samsung https://www.samsung.com/semiconductor/minisite/ssd/product/data-center/overview/
- Intel https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/products/details/memory-storage.html
- KIOXIA https://business.kioxia.com/ja-jp/ssd.html
- Crucial (Micron)https://www.crucial.jp/products/ssd
- Kingston https://www.kingston.com/jp/ssd
- Transcend https://jp.transcend-info.com/product/ssd
- ADATA https://www.adata.com/jp/consumer/category/ssds
- PLEXSTOR https://www.goplextor.com/jp/Product/Detail/M8VC_Plus#/Features
- Innodisk https://www.innodisk.com/jp/products/flash-storage/ssd
- Phison https://www.phison.com/ja/
- ハギワラソリューションズ https://www.hagisol.co.jp/products/ssd/index.html
- TDK https://product.tdk.com/ja/products/flash-storage/index.html
- SK Hynix https://ssd.skhynix.com/jp/
NANDメーカー
- Samsung 自社
- KIOXIA/WD ・・・Waferまでは、共同製造(四日市工場)
- SK Hynix 自社
- Micron/Intel ・・・Waferを共同開発
- YMTC ・・・中国国策会社(2016年7月創業の3D NANDフラッシュベンチャー)
コントローラメーカー
- Samsung (自社)
- KIOXIA(自社)
- WD(自社)
- Micron(自社)
- Phison (外販)
- Marvell(外販)
- Silicon Motion(外販)
シェアについて
NANDとSSDのシェアは下記図の通りとなります。
SSDのシェアは、製品分類、アプリケーション等で正確な統計データは出ておりませんので出荷全体でのシェアとなります。
サーバ用途では、Intel、Samsung、Micron、KIOXIAなどのNANDメーカー製品が強い傾向があります。
また、産業用途では、Innodisk、Phison、TDK,、ハギワラソリューションズなどの産業用途向けメーカー製品が強い傾向があります。
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皆さんがご使用されているSSDは含まれていましたでしょうか。
次回はSSDをより深く勉強したいと思います。
これからも、様々な最新技術を投入し大容量化に進んでいくHDD、容量が大きくなることは、それだけデータが多くなってきていることの証でもあります。
その為、データ消去の重要性について考えませんと、大変な事態を招く恐れがございます。
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