
人手不足への答えは、人を増やすことではなく、自社の人にしかできない仕事に人を集中させることです。
「障害対応に追われて、本来やるべき仕事に手が回らない」
情報システム部門の方から、最もよく聞く悩みのひとつです。採用しようにも、インフラの経験者はなかなか見つからない。ベテランの退職も迫っている。今回は、限られた人数で基盤を支え続けるために、保守と運用のどこまでを外に任せるかの考え方をご紹介します。
1. バケツで水を受け続けますか?
蛇口から水が漏れているとき、バケツを増やしても水漏れは止まりません。多くの情シス部門の人手不足対策は、「漏れた水をバケツで受ける」対応になっています。残業で穴を埋め、派遣で補い、それでも足りない。必要なのはバケツの追加ではなく、「自社の人がやらなくてよい仕事を、自社の人がやらない仕組み」、つまり蛇口側の修理です。
2. 第一歩は「仕事の仕分け」
任せる範囲を決める前に、まず情シスの仕事を棚卸しします。仕分けの軸は2つ。「自社の人にしかできないか」×「繰り返し発生するか」です。
| 繰り返し発生する | たまにしか発生しない | |
|---|---|---|
| 自社の人でなくてもできる | 【任せる狙い目】 障害の一次対応、部品交換、定期点検、機器の設定・キッティング | 【スポットで任せる】 大量導入時の搬入・設置、撤去とデータ消去 |
| 自社の人にしかできない | 【自社に残す】 社内の要望の整理、業務部門との調整 | 【自社に残す】 IT投資の計画、システム構成の意思決定 |
狙い目は左上、「自社の人でなくてもできる×繰り返し発生する」の仕事です。障害が起きるたびに現地へ行き、部品を手配し、メーカーに連絡する。こうした仕事に費やしている時間を合計すると、「気づけば担当者1人分が消えていた」ということは珍しくありません。
3. 任せやすい仕事、任せにくい仕事
線を引く
線を引く基準は、手順で決まる仕事か、判断が必要な仕事かです。手順で決まる仕事は、手順書と記録さえあれば外部でも同じ品質で実行できます。判断が必要な仕事は、自社の事情を知る人にしかできません。
4. 「外に任せる=情シスが不要になる」ではない
外部に任せる話をすると、「自分たちの仕事がなくなるのでは」という不安が出ることがあります。しかし人手不足の時代に外部へ任せる目的は、人を減らすことではなく、限られた人を、自社の人にしかできない仕事に集中させることです。どの機器をどこまで手厚く保守するかの考え方は、保守レベルは機器ごとに変えるで紹介しています。
障害対応から解放された時間は、業務部門の課題を聞く時間、新しい基盤を計画する時間、後任を育てる時間に変わります。洗濯機が普及しても家事をする人がいなくならなかったように、仕事の中身が置き換わるだけです。
5. 小さく任せて、範囲を広げる
- 最初は一部の機器から:メーカー保守が切れる機器、拠点が遠い機器など、負担の大きいところから任せます
- 窓口は一本にまとめる:メーカーや拠点ごとに委託先を分けると、連絡先を管理する仕事が新たに増えてしまいます
- 報告で状況を把握し続ける:任せても状況が見えるよう、復旧報告書や月次レポートを受け取ります
よくある質問
複数メーカー・複数拠点の機器でも、まとめて任せられますか?
グリットアーツでは、複数メーカー・複数拠点が混在する環境でも、拠点ごとに区分を分けたうえで窓口を一本にまとめられます。
データセンターでの常駐運用も依頼できますか?
できます。障害の一次対応、部材交換、増設作業をデータセンター内で継続して担う常駐運用に対応しており、365日体制での常駐実績があります。
まとめ
人手不足への答えは「もっと採用する」から、「自社の人にしかできない仕事に、自社の人を集中させる」へ。その第一歩は、ツールや委託先を探すことではなく、自社の仕事の仕分けから始まります。





