
機器を預けることは、その中にあるデータを預けることでもあります。
故障したディスク、撤去したサーバ。その中のデータは、最後どこへ行くのでしょうか。
保守や構築、撤去を外部の会社に任せると、作業の過程で、データが入ったままの機器や部品が社外の人の手に渡る場面が生まれます。多くの場合は問題なく扱われていますが、「どう扱われているか」を確認しないまま契約していることも少なくありません。今回は、保守や撤去を任せる前に確認しておきたい、データの取り扱いのポイントを整理します。
1. 機器を預けるのは「合鍵を預ける」のと同じ
家のリフォームや管理を業者に頼むとき、合鍵を預けることがあります。腕の良い業者を選ぶのは当然として、「鍵を誰が持ち、どこに保管し、作業が終わったらどう返すのか」も確認するはずです。データの入った機器を預けるのも、まったく同じことです。
2. データが社外に出る3つの場面
見落とされやすいのは1つ目です。障害対応で交換したディスクは、そのまま回収されていくのが一般的です。交換した部品の行き先と、データの扱いを契約前に決めておきましょう。
3. 契約前に確認したい5つのポイント
| 確認項目 | 確認ポイント |
|---|---|
| ① 交換部品の扱い | データの入った交換部品は回収されるのか、自社に残すのか。回収される場合、消去してから持ち出すのか |
| ② 消去の方法 | どの方式・装置で消去するのか。消去を確認した記録は残るのか |
| ③ 消去の場所 | 社外に持ち出してから消去するのか、データセンター内で消去してから搬出できるのか |
| ④ 情報管理の枠組み | 構成情報や作業記録を、どの規格・ルールに沿って管理しているか |
| ⑤ 撤去後の行き先 | 消去した機器は再利用されるのか、廃棄されるのか。廃棄はどう処理されるのか |
とくに③は、情報管理の基準が厳しい企業ほど重視されます。データが入ったままの機器を、一度も施設の外に出さないという選択ができるかどうかは、依頼先によって異なります。
4. 「消去した」を証明できるか
消去は、行ったことを後から示せて初めて意味を持ちます。監査や取引先からの確認に備えて、どの機器を、いつ、どの方法で消去したかが1台ごとに記録として残るかを確認しておきましょう。
HDDやSSDで消去の考え方がどう違うのか、なぜ「削除」や「初期化」では不十分なのかといった技術的な背景は、データ消去 技術講座で詳しく解説しています。
5. 撤去した機器は、次の現場の部材になる
撤去した機器は、すべてが廃棄されるわけではありません。データを消去したうえで、同じ型番の機器を使い続けている別の現場の保守部材として再利用されることがあります。メーカー保守が終わった機器の部材は新品では流通していないため、こうした再利用が保守を支えています。処分費用を抑えられ、廃棄物も減らせます。
再利用できないものは、産業廃棄物として適正に処理されます。撤去を依頼するときは、再利用と廃棄のどちらになるのか、廃棄の場合はどこでどう処理されるのかまで確認しておくと安心です。
グリットアーツの取り組み
- 情報の取り扱いはISO/IEC 27001の枠組みで運用しています
- 消去は米国国防総省(DoD)認定の消去装置を使用し、お客様のデータセンター内で消去してから搬出することも可能です
- 撤去した機器は、情報を消去したうえで同型機の保守部材として再利用する場合があります
- 部材にできないものは、リサイクル率99.9%を達成するリサイクルセンターで、産業廃棄物として適正に処理します
よくある質問
保守契約を結ぶ前に、データの扱いを取り決めることはできますか?
できます。交換部品の扱いや消去の方法は、契約条件として事前に決めておくことをおすすめします。
撤去と搬入を同じ会社に頼むメリットはありますか?
データセンターの限られた作業枠を有効に使えるほか、どの機器がどこに搭載されていたかの記録を引き継げるため、撤去漏れや取り違えを防ぎやすくなります。
まとめ
保守や撤去を外部に任せることは、データを預けることでもあります。交換部品の行き先、消去の方法と場所、記録の残し方。この3つを契約前に確かめておけば、安心して任せられます。
搬入から撤去、データ消去まで同じ体制で
機器の種類と台数、設置先をお知らせいただければ、作業の進め方と消去方法をご提案します。





